スマイラフによる治療について

スマイラフ服用中に
注意すべき症状・事象

副作用を早く発見するために、注意すべき症状があります。下記のような症状に気づいたら、すぐに医師に相談してください。

特に注意すべき症状

  • 結核、肺炎、敗血症などの感染症

    発熱、咳、のどの痛み、寒気などの症状が続く、など

    好中球数やリンパ球数が減少して感染症にかかると、上記のような症状が認められる場合があります。

  • 帯状疱疹(たいじょうほうしん)(感染症)

    痛みのある赤みを伴う水疱、しびれ、など

  • 消化管穿孔(しょうかかんせんこう)

    激しい腹痛、腹痛が続く、など

  • ヘモグロビン減少

    息切れ、めまい、など

  • 肝機能障害

    体のだるさ、食欲低下、発熱、白目の部分や皮膚が黄色くなる(黄疸)、など

  • 間質性肺炎

    発熱、息切れ、痰のない咳などの呼吸器症状

  • 静脈血栓塞栓症

    ふくらはぎの色の変化・痛み・腫れ、急な息苦しさ、胸の痛み、など

  • 横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)、ミオパチー

    手足や全身の筋肉痛、しびれ、尿の色が赤褐色になる、など

気になる症状が認められた場合は、すぐに医師に相談してください。

注意すべき事象

感染症①
結核、肺炎、敗血症など

発熱や咳、のどの痛み、寒気、体がだるいなどの症状が認められることがあります。

感染症② 帯状疱疹

皮膚の発疹や水疱(水膨れ)などの症状があらわれる1週間ほど前から痛みやかゆみが起こることが多いといわれています。その後、痛みとともに赤みのある発疹や水疱があらわれます。多くは体の左右どちらかに帯状に広がり、1週間程度で破れてかさぶたになります。治療が遅れると、治った後も痛みなどが続くこともあるため、早い時期に抗ウイルス薬による治療を行う必要があります。


1日目:赤い発疹


3日目:ブツブツや水疱


5~7日目:黒ずんだ水疱

❶❷と❸は異なる症例です。
写真:本田まりこ: 帯状疱疹の臨床像:
水痘・帯状疱疹のすべて 第1版, p129: 浅野喜造
編集/ メジカルビュー社, 2012年

写真:浅田秀夫: 帯状疱疹:
日本医師会雑誌 第145巻・特別号(2) 皮膚疾患ペディア, S98:
片山一朗 監修/ 医学書院, 2016年

感染症は早めの治療が重要です。感染症が疑われる症状が認められた場合は、すぐに医師に相談してください。

B型肝炎ウイルスの再活性化

B型肝炎ウイルスキャリアの方や、B型肝炎ウイルスに感染したことのある患者さんでは、B型肝炎ウイルスの増殖が盛んになる場合があります。これを「再活性化」といい、B型肝炎ウイルスの再活性化によりB型肝炎を発症することがあります。
B型肝炎とは、肝臓にB型肝炎ウイルスが感染することで炎症(肝炎)を引き起こす病気で、肝硬変、肝がんに進展する可能性があります。

悪性腫瘍

因果関係は不明ですが、スマイラフを服用した方で、悪性腫瘍や悪性リンパ腫の発症が報告されています。
スマイラフ服用中は、がん検診等を定期的に受診し、検査結果を医師に伝えておくとよいでしょう。

心血管系事象[虚血性
(きょけつせい)心疾患など]

スマイラフを服用した方で、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリドの値が高くなるなど、脂質検査値の異常があらわれることがあります。
また、脂質異常症の方は、虚血性心疾患などを引き起こしやすいと考えられています。
そのため、スマイラフ服用中は、定期的に脂質検査値を確認し、必要に応じて脂質異常症治療薬による治療が行われる場合があります。

消化管穿孔

消化管穿孔とは、なんらかの原因で消化管に穴が開く病気です。激しい腹痛や、突然の腹痛が起こり痛みが続くことがあります。
腸管憩室(ちょうかんけいしつ:腸の一部が袋状に膨らんだもの)のある方は、消化管穿孔を起こしやすいと考えられています。

消化管穿孔は早めの治療が重要です。

消化管穿孔が疑われる症状が認められた場合は、すぐに医師に相談してください。

血液検査値の異常①
好中球減少、リンパ球減少

好中球数、リンパ球数が減少することがあります。
好中球やリンパ球は、細菌やウイルスなどから体を守る役割をもつ白血球の一種で、これらが少なくなると抵抗力が弱まり、感染症にかかりやすくなります。

感染症が疑われる症状が認められた場合は、すぐに医師に相談してください。

血液検査値の異常②
ヘモグロビン減少

ヘモグロビンは、赤血球にある酸素を運んでいる成分です。
ヘモグロビンが減少すると、体に酸素が不足して、息切れやめまい、ふらつきなどの貧血症状が認められることがあります。

めまいなどの症状が認められた場合は、すぐに医師に相談してください。

肝機能障害

体のだるさ、食欲低下、発熱、黄疸などの症状が認められることがあります。
また、血液検査で肝機能検査値(トランスアミナーゼ:AST、ALTなど)が上昇することがあります。なお、肝機能障害を起こす可能性のあるお薬を一緒に服用する場合は注意が必要です。

肝機能障害が疑われる症状が認められた場合は、すぐに医師に相談してください。

間質性肺炎

肺胞の壁に炎症などが起こって壁が厚く硬くなることで、酸素を取り込みにくくなる病気です。
発熱、息切れ、痰のない咳などの症状が認められることがあります。
間質性肺炎と診断されたことのある患者さんは、間質性肺炎にかかりやすいと考えられています。

間質性肺炎が疑われる症状が認められた場合は、すぐに医師に相談してください。

静脈血栓塞栓症

静脈血栓塞栓症とは、手足の静脈に血のかたまり(血栓)ができる病気で、
ふくらはぎの色の変化や痛み・腫れなどの症状が認められることがあります。
また、血栓が血管を通って肺の動脈に詰まると、急に息苦しさや胸の痛みを感じることがあります。

静脈血栓塞栓症が疑われる症状が認められた場合は、すぐに医師に相談してください。

横紋筋融解症、ミオパチー

横紋筋融解症やミオパチーは、筋肉に障害をきたす病気で、手足や全身の筋肉痛、しびれ、尿の色が赤褐色になる、などの症状が認められることがあります。横紋筋融解症やミオパチーでは、クレアチンホスホキナーゼとよばれる筋肉の中にある酵素の値が高くなることがあり、スマイラフを服用した方で、血中クレアチンホスホキナーゼ増加が報告されています。

ご確認ください

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